会社をつくった方へ

会社のお金と、
自分のお金を分ける。

「会社の口座がまだできていないので、
自分のカードで払っています。
あとでまとめて精算すればいいですよね?」

設立直後に、いちばん多い相談です。

精算すること自体は問題ありません。
ただ、記録を残さずに
「あとでまとめて」にすると、
精算そのものが難しくなります。

このページでは、
会社と個人のお金を分けることが
なぜ設立直後にやってほしいのか、
そして具体的に何をすればいいのかを
書いておきます。

一なぜ「あとで精算」が難しくなるのか

個人事業では、事業と生活のお金を
同じ口座で管理していた方も
いると思います。
確定申告のときに仕分ければ、
済んでいたはずです。

法人になると、
財布は法律上ふたつになります。
会社のお金は会社のもので、
社長個人のものではありません。

社長が会社の経費を立て替えれば、
会社は社長に返すべきお金がある状態。
逆に社長が会社のお金を私的に使えば、
社長が会社から借りている状態です。

実務で困るのは、次の場面です。

設立から3か月経って、
会計ソフトを開いたとき。
個人カードの明細に、会社の経費と、
コンビニの昼食と、家族の買い物が
混ざっています。

「これは会社だったっけ?」
と考える時間が、1件につき数十秒。
それが数百件。
しかも記憶が薄れているので、
判断のたびに不安が残ります。

支払いを分けておけば、
この時間を大幅に減らせます。

二会社のお金を生活費に使うと、役員貸付金が残ることがある

会社の口座から社長が引き出したお金で、
役員報酬でも立替精算でもないものは、
「役員貸付金」という科目に
整理されることがあります。
会社が社長に貸しているお金、
という意味です。

これが積み上がると、次のことが起きます。

ひとつ。利息の扱いが問題になります。
無利息や低い利息のままだと、
利息相当額が社長への給与として
課税される場合があり、
会社側でも損金にできないことがあります。

ふたつ。融資のときに、
銀行は決算書の役員貸付金を見ます。
資金の使途や返済見込みについて
説明を求められ、
審査に影響することがあります。

みっつ。返そうと思っても、
社長個人の手元には
もうそのお金がないことが多く、
残高がなかなか減りません。

「今月ちょっと足りないから」
「一時的に借りるだけ」
こうした引き出しが積み重なって、
役員貸付金が残ることがあります。
設立直後に支払いを分けておけば、
この状態を避けやすくなります。

三法人口座を、登記の直後に申し込む

法人口座は、登記が完了しないと
開設できません。
登記事項証明書が取れたら、
すぐに申し込んでください。

銀行によって、
審査に数日から数週間かかります。
この「口座がない期間」が、
個人カード立て替えの温床になります。

ネット銀行は比較的早く開設できるので、
まずネット銀行で1口座つくり、
必要ならあとで地元の銀行を追加する。
この順番が現実的です。

四法人名義のカードをつくる

口座ができたら、
法人カードを1枚つくります。
設立直後は審査が厳しいこともありますが、
法人口座に紐づくデビットカードなら
比較的つくりやすいです。

これ以降、会社の支払いは原則として
法人口座・法人カードから行います。
ネットの月額サービス、通信費、
備品、広告費。
カードで払えるものは、
すべて法人カードに。

五立て替えは、記録して毎月精算する

設立前の準備費用や、
口座ができるまでに個人で払った分は、
必ず発生します。

まず、会社が負担すべき支出かを確認し、
内容に応じて創立費・開業費・
通常の経費・資産などに整理します。
ここは税理士と一緒にやるのが確実です。

整理できたら、領収書を一覧にして、
合計額を法人口座から
社長の個人口座へ振り込みます。
振込の摘要に「立替精算」と入れておくと、
あとから見てもわかります。

法人カードをつくったあとも、
現金でしか払えない場面や、
うっかり個人カードで払うことはあります。
立て替え自体を
ゼロにする必要はありません。

大事なのは、立て替えたら記録を残し、
月に1回まとめて精算する。
このルールを決めて守ることです。
「記録がない」「精算の期限がない」
この2つが、
精算をほどけなくする原因です。

六生活費は、役員報酬の手取りの範囲で

社長の生活費は、
あらかじめ決めた役員報酬を
毎月決まった日に個人口座へ振り込み、
その手取り額の範囲でやりくりします。
「今月ちょっと足りないから
会社から引き出す」
はしません。

会社から社長個人へお金が動くのは、
役員報酬のほかに、立替精算や、
社長が会社に貸したお金の返済もあります。
どれも正当な取引ですが、
「何の名目で、いくら動いたか」が
帳簿でわかる状態にしておくのが条件です。

役員報酬には会社の経費にするための
要件があり、振込の名目を「役員報酬」に
すれば足りるものではありません。

七よくある質問

自宅の一部を事務所にしています。家賃は?

社長個人が借りている、
または所有している自宅の一部を
会社が使う場合、
会社と社長の間で使用契約を結び、
会社から社長へ家賃を払う形にすると、
事業で使っている部分に対応する金額を
会社の経費にできます。

社長側では、受け取った家賃が
不動産所得になります。
賃貸なら、会社に貸している部分に対応する
支払家賃を必要経費にできますが、
家賃全額ではありません。
確定申告が必要になることもあるので、
金額は税理士と相談して決めてください。

もうひとつ、賃貸住宅の場合は、
契約上、事務所としての利用や転貸が
認められているか、貸主の承諾が必要かを
先に確認してください。

個人のスマホを仕事にも使っています。

通信費のうち事業で使っている割合を
按分して、会社の経費にします。
按分の根拠を説明できることが条件です。
これも「毎月の立替精算」のひとつとして、
記録を残して精算します。

社長が会社にお金を貸すのは大丈夫?

これは逆方向(役員借入金)で、
設立直後にはよくあることです。
役員貸付金と比べると、
税務上も融資審査上も
問題になりにくい取引です。

ただし、入金日・金額・貸した人を記録し、
返済分も含めて帳簿上の残高を
管理してください。
振込の摘要は補助的なメモで、
それだけで管理が完了する
わけではありません。

また、会社への貸付金は
社長個人の財産なので、
相続のときにも確認が必要になります。

「口座はどこがいいか」
「これは会社の経費になるか」
小さなことから受けています。

LINEで、ひとこと聞いてみる公式LINE @yuta-hazama-tax

追加したあと、気になることを
ひとこと送ってください。
営業日中に、私からお返事します。
まだ決まっていなければ、
追加だけでも構いません。

顧問はまだ早い。
でも、聞ける相手はほしい。
そういう段階のための窓口です。
質問の回数は数えません。

1年目の相談窓口月3,300円(税込)・記帳代行と決算・申告は含みません 顧問料かんたん試算5つの質問・30秒。入力した内容はこちらに送られません

*相談してみる

設立したばかりの会社のご相談は、
記帳や申告の前段階から受けています。
二営業日以内に、私から返信します。

いまの状況

いただいた情報の取扱いはプライバシーポリシーのとおりです。

会社をつくった。税理士は、誰に頼む? 設立直後に知っておきたい8つのこと。この記事はその2番目を詳しくしたものです
← 読みものの一覧へ
LINEで聞いてみる無料・友だち追加 1年目の相談窓口月3,300円